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解雇とは?

日本の解雇規制は欧米に比べて厳しい

  • # 01

    解雇とは?

    使用者が労働者との労働契約を一方的に解除することです。

    生活の基盤である給与を失うことになる点で、労働者の生活に与える影響が大きいため、法律・判例で様々な規制がされています。

  • # 02

    欧米における解雇

    欧米社会では、会社は労働者の「能力」を買っているという考え方が強い傾向にあるため、解雇することが比較的容易とされています。

  • # 03

    日本における解雇

    労働者の「能力」というよりも、労働者の労働力自体を買うという考え方が強い傾向にあるため、会社は簡単に解雇することができず、労働者を育成して使用しなければならないとの考え方が一般的であり、解雇は容易ではないとされています。


解雇の適法性はここがポイント

解雇の種類

普通解雇・懲戒解雇・整理解雇の三種類!

  • Point 01

    普通解雇

    能力不足・健康上の理由・労働契約の不履行等就業規則に定める解雇の事由(労基法第八十九条)および労働者に明示しなければならない労働条件の解雇の事由(労基法第十五条)による労働者の個別的事項に基づいて行われる解雇。

  • Point 02

    懲戒解雇

    職場のルールを守らない社員に対する教育的指導のための制裁罰である懲戒処分のなかで最も重い処分に該当するものであり、退職金が支払われないばかりでなく、解雇予告期間(後述)を設けず、即時解雇となるケースがほとんどですので、労働者にとっては大きな影響を及ぼすペナルティと言えます。

    懲戒解雇は労働者に与える影響が大きいことから、この処分が下される前の懲戒処分として懲戒解雇より1ランク軽い処分の諭旨解雇というものがあります。諭旨解雇とは、本来は懲戒解雇となる重大な企業秩序違反に該当するものの、本人の反省度合いやこれまでの貢献等情状を考慮して、自ら退職届を提出するよう勧告するものです。諭旨解雇の場合、懲戒解雇とは異なり、解雇予告期間が設けられたり、退職金が一部支払われるといった配慮がされることがありますので、極刑に該当する懲戒解雇よりは比較的緩やかな処分となります。

  • Point 03

    整理解雇

    会社の経営上の都合言い換えれば経営不振による倒産を回避するために人員削減に手を付けなければならない場合の最終的手段です。

    普通解雇や懲戒解雇とは異なり、労働者本人には落ち度がなく、責任は会社にありますので、あらゆる手段を尽くした後の最終手段です。

    そのため整理解雇が有効であると判断されるためには、以下の「整理解雇の4要件」という厳しい基準を満たす必要があります。

    ①人員整理の必要性:業績悪化や経営上の危機が明らかであること

    ②解雇回避の努力:経営陣の給与カット、人件費以外の経費削減の可能性、配置転換や希望退職の募集等解雇回避の努力が尽くされていること

    ③人選の合理性:合理的・客観的な基準を用いて人選がされていること

    ④手続きの妥当性:解雇対象者や労働組合との事前協議や誠実な説明等、労働者に対して精一杯の説明と話合いが尽くされていること

    以上、整理解雇の有効性が問われる場合には、上記4要件が総合的に考慮され解雇の有効・無効が判断されます。

解雇の禁止

様々な法律で解雇が禁止されている

解雇は労働者にとって生活の糧を失う等重大な影響を受ける事項であるため、様々な法律によって禁止されています。それらの法律によって弱い立場や状況にある労働者は大きな影響を被らないように保護されています。以下に主なものを列挙します。

  • 労働基準法第19条:業務上の傷病による休業期間及びその後30日間の解雇。産前産後の休業期間及びその後30日間の解雇。

  • 労働基準法第3条:国籍、信条、社会的身分を理由とする解雇。

  • 労働組合法第7条:労働組合の組合員であること等を理由とする解雇。

  • 男女雇用期間均等法第6条、第9条:性別、女性の婚姻、妊娠、出産、産前産後休業等を理由とする解雇。

  • パートタイム・有期雇用労働法第9条:通常の労働者と同視すべきパートタイム・有期雇用労働者について、パートタイム・有期雇用労働者であることを理由とする解雇。                                           

  • 障害者雇用促進法第35条:障害者であることを理由とする解雇。

  • 労働基準法第104条、じん肺法第43条の2、賃金の支払いの確保等に関する法律第14条:労働基準監督署等に申告したことを理由とする解雇。

  • 育児・介護休業法第10条、第16条、第16条の4、第16条の7、第16条の10、第18条の2、第20条の2、第21条第6項、第23条の2:育児・介護休業等の申出等をしたこと、育児・介護休業等を取得したこと等を理由とする解雇。

  • 育児・介護休業法第25条:育児休業等に関するハラスメントの相談を行ったことを理由とする解雇。

  • 男女雇用機会均等法第11条、第11条の3:セクシュアルハラスメント、妊娠、出産等に関するハラスメントに関する相談を行ったこと等を理由とする解雇。

  • 労働施策総合推進法第30条の2:パワーハラスメントに関する相談を行ったこと等を理由とする解雇。

  • 男女雇用機会均等法第17条、第18条、労働施策総合推進法第30条の5、第30条の6、パートタイム・有期雇用労働法第24条、第25条、育児・介護休業法第52条の4、第52条の5:男女雇用機会均等法、労働施策総合推進法、パートタイム・有期雇用労働法、育児・介護休業法に基づく紛争解決援助を求めたこと又は調停の申請をしたことを理由とする解雇。

  • 個別労働紛争解決促進法第4条、第5条:個別労働紛争解決促進法に基づく紛争解決援助を求めたこと、あっせん申請をしたことを理由とする解雇。

  • 公益通報者保護法第3条:公益通報をしたことを理由とする解雇。

解雇の予告

労働者が突然の解雇から被る生活の困窮を緩和

労働基準法第二十条

第一項:使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少なくとも三十日前にその予告をしなければならない。三十日前に予告をしない使用者は、三十日分以上の平均賃金を支払わなければならない。但し、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合又は労働者の責に帰すべき事由に基づいて解雇する場合においては、この限りでない。

第二項:前項の予告の日数は、一日について平均賃金を支払った場合においては、その日数を短縮することができる。

第三項:第一項但書の場合においては、その事由について行政官庁の認定を受けなければならない。


解雇である場合には、その解雇が普通解雇であると懲戒解雇であると、また整理解雇であるとを問わず当該条項が適用されます。

  • STEP.1
    1920石圧縮

    予告期間を設けなければならない

    第一項のとおり、予告は少なくとも三十日前にしなければなりません。

    予告期間の計算については、労働基準法に特別規定がありませんので、民法の一般原則により、解雇予告がされた日は参入されず、その翌日から計算され(民法140条)、期間の末日の終了をもって期間の満了となります(民法141条)。また、三十日間は暦日で計算されますので、例えば9月30日に解雇(その日の終了をもって解雇の効力発生)するためには遅くとも8月31日には解雇の予告をする必要があります。三十日前であればこれより長くても差し支えありません。

  • STEP.2
    1920タイル圧縮

    三十日前に予告をしない場合

    第一項のとおり、三十日前に予告をしない使用者は、予告に代えて三十日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払わなければなりません。換言すると、三十日分の平均賃金を解雇予告手当として支払えば即時に解雇できるわけです。

  • STEP.3
    no image

    STEP1、2を経ずに解雇する場合

    第一項但し書のとおり、①天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合又は②労働者の責に帰すべき事由に基づいて解雇する場合においては、予告及び予告手当の支払いなくして解雇できますが、第三項のとおり、所轄労働基準監督署長の認定を受けなければなりません。①の認定基準について、「天災事変その他やむを得ない事由」と解されるだけでは十分ではなく、そのために「事業の継続が不可能」になることが必要であり、また、逆に「事業の継続が不可能」になってもそれが「やむを得ない事由」に起因するものでない場合には、これに該当しないとされています。②の認定基準については、解雇予告制度により労働者を保護するに値しないほどの重大又は悪質な義務違反ないし背信行為が労働者に存する場合とされています。当該除外認定は、その性質上個々の具体的な事実に基づいて判断する必要があり、また、使用者の一方的判断に委ねるとした場合には実際上労働者が損害を被ることも多くなると考えられることからこれを防止する必要から所轄労働基準監督署長の認定を受けるべきことを規定しています。

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トラブルを避けるための対策

解雇を厳しく規制する解雇権濫用法理

上記でも触れましたが、日本においては解雇は厳格に規制され容易に行うことはできません。解雇にまつわる法律は、元来、民法第627条において「当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申し入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申し入れの日から二週間を経過することによって終了する。」とされ、労働者の「辞職の自由」とともに、使用者の「解雇の自由」が規定されていました。そして当該規定は現行法として修正がなされていません。しかし、解雇は生活の糧を奪われることを意味し、労働者及びその家族に深刻な影響をもたらすものであるため、解雇を全く自由に認めるのは妥当ではないとの考えから裁判所が労働者を保護するために判例を積み重ねていった結果が「解雇権濫用法理」です。

「解雇権濫用法理」とは最高裁の判示によって確立されたもので「解雇権の行使が客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当として是認することができない場合には、権利の濫用として無効となる」というものです。つまり、民法上は使用者と労働者双方に労働契約を解除できる権利があるものの、その権利をみだりに行使することは許されないと定義したものです。この解雇権濫用法理が重視され積み重ねられてきた結果、日本における「解雇規制」という大きな壁が形成されたのです。

ただし、判例法理は明文化されていないものですので、一般には認識されにくいこともあり、平成15年の労基法改正で第十八条の二として「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして無効とする」と初めて明文化されました。当該第十八条の二はその後、平成19年に労働契約法第十六条に同規定で制定され、労基法第十八条の二は削除、労契法十六条が現行法として活きています。

以上のような経緯で日本における解雇規制は形成されてきたのですが、この規制は依然として大きな壁として立ちはだかっていて、簡単に解雇はできないことを示し続けているのです。

最後に確認しておかなければならないのは、解雇が有効か否かを決めるのは労働基準監督署ではなく、裁判所だということです。「客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当である」かどうかを判断するのは裁判所だけなのです。恣意的な判断は危険です。

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解雇に関する問題は、労働者にとっても事業主にとっても非常にセンシティブな問題です。特に、先にも記載したとおり日本において解雇は容易に認められるものではありません。万一解雇をしてしまった場合には、解雇が容易ではないことを知っている労働者から係争に持ち込まれる可能性がないとは言えませんし、係争に持ち込まれて、万一敗訴するようなことにでもなれば、その処置に莫大な費用が懸ると言われています。したがって、解雇をすることは決して得策ではありませんので、労働者に何か不都合があった場合には、不都合を改善するための十分な教育的指導を行う等の努力をすることが重要です。さらにはその証跡として、教育的指導の労働者とのやりとりの過程を文書で蓄積おくことが重要です。言った言わないでもめないための頼もしい備えとなります。

冒頭から記載してきているとおり、解雇のハードルは大変高いものです。労使双方がお互いの強い信頼関係を構築し、解雇という互いに好ましくない事態を招くことがないようにしましょう。


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さらに、初回の相談は無料で行っており、相談後にご契約いただく必要があるかどうかはお客様の判断にお任せします。このため、安心してお話しいただける環境を整えています。
解雇の問題は多くの方にとって深刻なものですが、一人で悩まずに私たちに相談してみてください。解決へ向けたサポートを全力で行いますので、まずはお気軽にお問い合わせください。問題解決への第一歩を踏み出しましょう。

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