みなし残業制とは 固定残業制・定額残業制とも呼ばれる
みなし残業制とは、実残業時間に係わらずあらかじめ一定の時間残業したものとみなして、一定時間分の残業手当を先に支払うものとする制度です。
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性質の異なる残業の範囲を設定するには。
残業には割増率の異なる時間外労働、休日労働、深夜労働があり、それらを含んでみなし残業とすることもできますが、含めるものと含めないものとを区別して運用するためにはその内訳を労働契約、就業規則、賃金規定、雇用契約等で明示する必要があります。
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みなし労働時間制とは違う
みなし残業時間制は一定時間残業を行ったものとして残業時間を「みなす」制度であるのに対して、みなし労働時間制は法的に定められた業務を行った場合に会社と労働者が事前に定めた時間働いたものとして労働時間を「みなす」制度であり、両者は「みなす」対象が異なり全く別の制度です。両者を混同して運用すると労働者に不利益を及ぼす可能性があるため明確に区別して扱う必要があります。
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みなし残業制導入の条件
みなし残業制の導入に当たっては、不適切な運用によって労働基準法上の時間外労働等の割増賃金の支払義務等に違反する問題が発生する可能性がありますのでその導入にあったっては守るべき条件が示されています。
その条件とは、①通常の労働時間の賃金に当たる部分と割増賃金に当たる部分とを判別できることが必要であること、
と②割増賃金に当たる部分の金額が労基法37条等に定められた方法で算定した割増賃金の額を下回るときはその差額を支払わなければならないことの2点です。これが遵守されていなければ、みなし残業制そのものの適用が否定され問題となる場合がありますので要注意です。
みなし残業制のメリットを知り、企業経営に役立てよう
みなし残業制のメリット
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業務効率を上げると労働者は得をする
みなし時間より実際の残業時間が短くてもみなし時間分の残業手当が支払われ賃金は減らないため、効率的に仕事を進めることで金銭的に得をするし、職場環境の改善も期待できる。
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給与の固定化により、会社にとってはコスト予測がしやすいし、労働者にとっては収入が安定し生活設計がしやすい
労働者にとっては月による残業の変動がなく、毎月一定の収入が見込めるし、会社にとっては人件費が固定化し経営計画がしやすい。
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給与計算業務を簡素化できる
みなし残業時間より実際の残業時間が少ない場合には割増賃金計算を省略でき給与計算業務の効率化が図れる。
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生活残業とサービス残業の抑止となる
残業時間と賃金のバランスが均衡することで個々の公平感が保たれ、業務効率アップと残業時間短縮の職場風土が醸成され、ダラダラ残業と無駄な残業の抑止となる。
みなし残業制とは、一定時間分(みなし時間分)の残業手当をあらかじめ支給する制度です。この制度は、実際の残業時間の金額がみなし残業手当の金額を超えた場合にはその差額分を支払わなければなりませんが、実際の残業時間がみなし残業時間より少なかった場合であってもあらかじめ予定された残業手当が支払われるため、労働者にとっては金銭的にメリットの大きい制度です。労働者にとっての金銭的なメリットだけでなく、職場環境形成や企業経営面においても様々なメリットを享受することができますので、適正に導入・運用することでそのメリットを活用できます。
みなし残業制のデメリット
実態に沿ったみなし時間の設定を!
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Point 01
残業代未払いの温床になる場合も
実残業時間がみなし残業時間を超えた場合には、追加の残業代を支払う必要があります。しかし、典型例としてみなし残業制なのだから残業代はすでに支払っていると言われ追加支給をしないケースがあります。会社側が意図的なのか、制度理解の誤りなのかは定かではありませんが、明らかに違法でありそれで納得させられてしまう労働者も存在します。労働者にとっても会社にとっても違法状態は正さなければなりません。労使双方がみなし残業制度について正しい知識を持ち、適正に運用することが重要です。
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Point 02
オーバーワークを誘発する可能性
みなし残業制におけるみなし時間の設定は業務実態に見合った設定にしなければ過剰残業を招く可能性があります。
みなし時間を多く設定して残業代を多く支払いすぎると会社としては支払った分だけ働いてもらわないと損をするという意識が働き、過剰な業務分配を強いることになります。結果としてオーバーワークの誘因となることが考えられます。
会社や各労働者の業務分析をし、しっかりと見極めることによって適切な業務分配を行うことで、実態に沿った過剰労働にならないみなし時間設定にしなければなりません。
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Point 03
誤った運用は違法を問われる
みなし残業制を導入する場合には、①通常の労働時間の賃金に当たる部分と割増賃金に当たる部分とを判別することができることが必要であり、②割増賃金に当たる部分の金額が労働基準法第37条等に定められた方法により算定した割増賃金の額を下回るときは、その差額を支払わなければならない。と通達されています。
つまり①②の要件を欠く運用をしている場合は、みなし残業制を導入しているとはいえないということになり、みなし残業代として支払った金額は残業手当として支払ったことにはならないことになります。
会社にとっては大きな問題です。みなし残業制を導入する場合には法令遵守の運用が必要です。
適切な導入のためのポイント
みなし残業制とは、実残業時間に係わらずあらかじめ一定の時間残業したものとみなして、一定時間分の残業手当を先に支払うものとする制度です。
みなし残業時間が実残業時間を上回る場合は残業計算が不要になり給与計算が簡素化できるといったように、メリットも多くありますが、適切な導入と運用を行わなければトラブルに発展する可能性があるため注意しなければなりません。
みなし残業制を正しく導入し運用するためには、行政通達で示されている留意事項を遵守して制度設計をおこなうことが第一です。留意事項の内容は、①通常の労働時間の賃金に当たる部分と割増賃金に当たる部分とを判別することができることが必要であること。また、このとき②割増賃金に当たる部分の金額が労働基準法第37条等に定められた方法により算定した割増賃金の額を下回るときは、その差額を支払わなければならないこと。の二点です。
そして①を行うための方法として、時間外労働及び深夜労働に対する割増賃金に当たる部分について、相当する時間外労働等の時間数又は金額を書面等で明示するなど、としており、また②を行うために「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」を遵守して労働時間を適正に把握することを挙げています。
このため、みなし残業制を適正に導入するためには、これまでは相当する時間外労働等の時間数と金額を明示することと労働時間を適正に把握して実残業時間がみなし残業時間を超えた場合は差額を追加支給することが重要視されていたのですが、近年の最高裁でみなし残業制において相当する時間外労働等の時間数表示は必須ではないと判示されたこともあって留意事項の内容が不確実化されたように思います。ただ、時間数表示が必須ではないとされたとはいえ表示した方が望ましいことは間違いではないと思われますので、表示した方が無難でしょう。
さらに①②を遵守した制度設計を行うためには、制度導入前に自社や各労働者の業務内容について整理・分析して、実態を詳細に把握することが必要です。それを行ってこそみなし残業制を導入するにあたってのみなし残業時間を適正に設定することができます。みなし残業時間を実態に見合った時間に設定することは法令を遵守することに並ぶ重要事項です。
つまり最終的には、法令を遵守することとみなし残業時間の適正な設定こそが制度導入の成功の鍵となるものであると言えるのです。そうしてこそ、みなし残業時間制の持つメリットを享受できますし、トラブル発生の元となるデメリットを排斥することが可能になるのです。
みなし残業制の導入を考慮する企業にとって、実際の業務内容や運用を理解することが重要です。しかし、各企業はそれぞれ異なる事業内容や業務遂行を行っており、単純にみなし残業制を導入するだけでは、必ずしも成功につながるとは言えません。そこで、企業の実情に応じたカスタマイズされたアドバイスが求められます。
例えば、サービス業などでは繁忙期と閑散期が明確であるため、みなし残業制を有効に活用できる可能性がありますが、飲食業などでは営業時間が決まっているため、同制度の導入が労働者に必ずしも利益をもたらすとは限らず、反ってそのメリットを生かし切れない場合もあります。このように、企業の特性を把握し、その上でどのようにみなし残業制を運用するかを慎重に検討することが必要です。
また、法令遵守や労使間の信頼関係を築くこともポイントです。法令違反を避けるためには、労働時間の管理や記録を徹底し、透明性のある運用を確保することが重要です。従業員が安心して働ける環境を整えることで、結果として企業の生産性向上にもつながります。
このような具体的なポイントについての相談を促進するために、ぜひともお気軽にお問い合わせいただければと思います。私たちは、貴社がみなし残業制を効果的に運用できるよう、実情に即したアドバイスを提供し、円滑な導入に向けたサポートを行います。必要な相談や疑問があれば、その都度お知らせいただくことで、最適な運用方法へと導くお手伝いをさせていただきます。
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