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労働者に与える影響

賃金要件の撤廃期日が決定


令和7年成立「年金制度改正法」主な改正点 ~被用者保険の適用拡大~

の記事の中で記載しましたが、短時間労働者の社会保険への加入要件の緩和に伴い、法の公布から3年以内に実施されることとされていた「賃金月額が88000円以上あること」という賃金要件撤廃の施行期日を定める政令が公布され、令和8101日に決定されました。撤廃期日を定めた政令は、令和8911日の官報に掲載されていますが、この政令の公布に伴って、令和8101日以降社会保険に加入となる短時間労働者が増えることになります。

その背景には令和8年101日から順次発効される最低賃金額の改定によって賃金月額が88,000円未満となる労働者が減少することから賃金要件はその効力を失うこととなることがあります。

賃金要件の撤廃は、今後予定されている特定適用事業所の企業規模要件の段階的緩和および最終的撤廃とともに短時間労働者の社会保険加入促進について、避けることのできない効果を発現してくるものと思われます。対象となる短時間労働者はその準備を進める必要があります。



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短時間労働者の方々にとって、社会保険の加入はその仕事を続ける上で非常に重要な要素です。短時間労働者が社会保険に加入するためには複数の要件がありますが、現在賃金要件として「賃金月額が88,000以上あること」という要件があるため、一定時間以上働かないと加入することはできません。一方で家族の扶養に加入し続けるために働く時間を一定時間未満に調整するという働き控えの問題があることも事実です。この賃金要件が撤廃されることで、短時間労働者の待遇は大きく変わることが予想されます。賃金要件の壁に阻まれて加入できなかった人には医療や年金の保障が手に入ることは事実ですが、一方で働き控えによって加入を避けてきた人にとってはそれができなくなるのです。前者によるメリットよりも、後者によるデメリットの方が影響は大きいように思います。
社会保険に加入すれば、将来の年金が増え安心を得られますが、その分保険料を自身で負担する必要があり、特に賃金の低い人にとっては厳しいものとなります。また、家族の扶養に加入している人について見ると、自身で厚生年金に加入することで、将来の年金は増えますが、これまで保険料を負担していなかった(扶養は負担0)のに対して新たに保険料負担が加わることになります。

このことから考えると、賃金月額が88,000未満で単身で生活している人はそれほど多くはないと思われますが、扶養に入って働いている人の方が多く、比較すると後者への影響の方が大きいように思えるからです。社会保険料は労使折半負担ですので企業にとっても保険料負担が増えることになります。

また、今後予定されている特定適用事業所の企業規模要件の段階的緩和および最終的撤廃とともに短時間労働者の社会保険加入がさらに促進されることが予定されていますので、短時間労働者の社会保険への加入者はさらに増えるものと思われます。


このことから、今後は家族の扶養に加入しながら、お小遣い稼ぎで働くという形態は、かなり厳しいものとなっていくのではないでしょうか。短時間労働者として勤務する人は今後の動向を注視して自身の働き方を考えなければなりません。

これからの働き方を検討するに当たって、疑問点等ありましたら専門知識を持った社会保険労務士にお気軽にお問い合せください。


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